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汚れのメカニズム

経年劣化(人間でいう老化現象)

時間の経過と共に塗装面が硬化していき、柔軟性がなくなる。艶(ツヤ)がなくなってくる。
人の肌と同じです。シワやシミも人ほどではありませんが現れます。
アスファルト道路に含まれるタールピッチの付着や紫外線(UV)の攻撃も屋外を走る限り避けられません。
普段のメンテナンスレベルにより年齢と共に個人差が広がってくる!これは人も車も同じ事がいえるようです。

粒子状渡来物

鉄粉

ブレーキダスト(ブレーキパッドのカス)・鉄道の線路(周辺3〜4km)・工事現場・等で発生します。線路脇の電柱が黒くなるのもこの鉄粉。線路脇駐車場は避けたいですね!放置しておくと塗装面にくい込み錆の原因ともなります。

樹液

春から夏にかけての成長期に多発。付着したまま長期間放置すると、汚れを引きつけて硬化し、無理にはがそうとすると塗装剥離を起こすこともあります。また、樹脂成分によっては、塗装が変質することもあり侮れません。
一番ガンコなのは松ヤニ!シミになってしまったら取れません。

チリ・ホコリ

工場密集地帯や交通渋滞の中ではガス、酸、塩などの化学物質を含んだチリやホコリなどにさらされています。
年間1.6km四方に約1000トンもの目に見えないゴミが東京に降り注いでいる!と言われますが塗装に悪いものばかりです。さらに直射日光の下では、粘着性、浸透性が高まり、変色の原因になります。

酸性雨・酸・アルカリクレーター

雨や洗車の後、塗装面についたままの水滴が塗装の内部にしみ込むことがありますこのまた水分が蒸発することで、酸性雨に含まれていた酸が強くなり塗装を傷めます
塗装表面が水玉状にクレーターになっている状態。水滴が乾いた用に見えます。雨の降り始めは特に酸性度が高くレモン汁が降っているようなものなのです。そしてさらに乾くことによって強い酸になり塗装面上のワックス分と雨が、シリコンを焼き、クレーター状の侵食汚染輪紋状につきます。(輪紋状)濃色車に良く目立ち、ワックスや水垢落としなどで磨いても取れません。基本的にはコンパウンドの磨きで落とすしかありませんが、これには限界があるので、完全に除去するのは困難です。
酸性雨の被害の一番大きいドイツの車は、最近は塗装も厚く、非常に硬さを増して酸性雨に対抗しています。

イオンデジスポット

クレーターと同様に水滴が乾いたように見えるシミのことです。クレーターとは逆にごく薄く盛り上がり、全体的に白く見えるのが特徴。
これは水道水に含まれる成分が、水分の蒸発によって取り残されたもので水は面積を減らさず、体積を減らして蒸発するので、王冠状の縁として残ります。このイオンデジスポットは以外に多い。
水道水を使用して洗車する以上避けられないが、水滴を残さず拭き取ることで防げます。

洗剤残滓クレーター

洗剤をよく洗い流さなかった場合に起こるもので、上から見てもその存在は確認できます。水滴が乾いたように見えるシミで、わずかに窪んでいて白っぽく見えます。
洗車の際に落としきれなかった洗剤が、塗装面の状況、水分、酸素、太陽光線などを複雑に絡み塗装を侵食するものです。程度の軽いものは磨いて除去できます。

防ぐには、よくすすぎ、水滴を残さないように拭きあげるにつきます。

ウオータースポット

塗装面の上に水滴が残り、水滴をレンズとして、直射日光が塗装面を焼いて出来るシミのこと。(虫眼鏡で紙を焦がすのと同じ)太陽光線は、クリアー層を通り抜けて、焦点がが合うベースコート面を焼いてシミを作ってしまうのです。これは上から見てもわかりません。
馬の蹄のようなシミです。磨いても除去できませんが、最近のクリアー塗装は、薄く塗られているのでほとんど見られません。

虫の死骸

夏などの虫の活動期、高速走行中に大量の虫の死骸が付着します。シュウ酸カルシウム、タンパク質、多糖酸、蛾酸などを含み、腐食成分や固着成分のはたらきで、塗装を傷めます。さらに放置すると、紫外線によってさらに酸化が進み変質、変色を招きます、無理にこすらず、水をたっぷりかけたり、ぬらしたタオルを当てておいてふやかしてから除去しましょう。

鳥の糞

成分は複雑で、タンパク質、カルシウム、アンモニア、砂、セルロースなどを含み、腐食成分のはたらきで、塗装を傷めます。
虫の体液同様、放置して酸化が進むと、変質、変色を招きます。発見したら、硬化する取り除きたいが、硬化したしまったら擦らずに、水で濡らしたティシュでふやかして除去します。フンの中には砂も含まれています。

トンボの糞

夏から秋にかけての活動時期に被害が多発します。しかも鏡面仕上げの車に多い(どうやら水面と勘違いしているようです。)黄土色や茶褐色の糸のような付着物がガンコにつきます。太陽熱で焼きつくので洗っても落ちない場合が多いです。
なお、変質、変色を起こしてしまったら、磨きでもとりきれ無いことがあります。特に炎天下についたものは、深い窪みになって腐食するので要注意です。

塩害

海浜地帯の潮風による塩害の他に、融雪剤、解氷剤(凍結防止剤)の中に氷点降下剤として含まれる無機塩類による塩害が考えられます。また、劣化したワックスは、空気中の浮遊酸や塩分を吸収し、塗装にチョーキング現象を引き起こし、サビを発生させます。サビは、塩化物イオンのはたらきで、発生を促進させます。

WAXムラ

ワックスの塗りムラや、ギラツキや、光沢の不安定化を言います。ワックスの無駄掛け、拭き取りの不徹底が原因です。ワックスは本来0.5ミクロンものっていれば十分なのです。それ以上は油膜や汚染吸着の原因となるばかりか、余剰ワックスが塗装上で熱や紫外線などと反応して焼きつくと、酸化して変質変色のもとになります。

チョーキング

チョーキング塗膜が劣化して光沢を失って、表面に粉をふく現象です。ソリッド塗装に多い現象で、紫外線や、水アカ落としのしすぎなどによって、塗装面が壊されて、顔料が表面に浮き出てしまう現象です。塗料の質による要因が多い。

チッピング

跳ねた小石などによる塗装の欠損。この欠損が地の金属部まで達した場合、深刻なサビの発生を許してしまいます。金属部が見えるようなチッピングを発見したら、サビが発生する前に、タッチアップなどで補修をしましよう。重傷のチッピングを放置するとカサブタのように塗装が浮き出し剥がれます。(スキャーブコロージョン)こうなると本格的な補修塗装が必要となります。

ヘアラインスクラッチ

(滑条痕)一筋の髪の毛のような細く長いキズ。塗装上で粒子状の汚れを引きずってしまったために出来るキズです。洗車や、ふき取りのために出来るキズです。洗車や、ふき取りの際に作ってしまうことが多く、頻度が高いので、キズとキズが錯綜し、ぎらつくようなキズをつくってしまいます。(リング光彩)意外と雪かきの際につけてしまうケースも多いので要注意。鉛筆ライン迄傷つくとペンシルラインスクラッチ、10円パンチをコインスクラッチと言います。駐車場ではコインスクラッチとういよりボードスクラッチ被害が続出しています。

水アカ

塗装面に塗布されたワックスや油分が熱によって溶解して汚れを吸収してしまった物や、ドア廻りや、ミラーの付け根などからグリースや接着剤がしみだしボディにこびりついたもの。つまり、水アカとは、汚れた油と汚れたワックスのことを指すのです。ワックスは、塗装面に塗布されると半液体状態で塗装に付着してツヤと撥水性を保持しています。それ以降1〜2週間くらいで、ワックスを形成している溶剤が蒸発し続け、50〜70%が消滅します。後に残ったロウ分は、ワックス本来の機能を果たすことが出来ずに、大気中の汚れや排気ガスなどの汚染物質が吸収し、角質化していきます。これが水アカの発生過程と考えられています。

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